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2024/11/21 21:41 |
いとしこいしの噺の噺
夢路いとし・喜味こいし

最近、こいし師匠が亡くなって、今さらながら、「いとこい」漫才はもう生で触れることはなくなってしまったんだなあ、と実感。

実は、2003年には、いとし師匠は亡くなってしまった段階で、もう2人の漫才はできなかったわけなんだけど、なんとなく、どちらか師匠が生きているだけで安心していたのは、漫才ファンの怠慢だったんでしょうね。

「ダイラケ」さん(中田ダイマル・ラケット)といい、「いとこい」さん(いとし・こいし)人生幸朗・生江幸子のご両人、もちろん「やすきよ」(やすし・きよし)も含めて、上方漫才って、どうしてあんなに面白かったんだろ?

NHKの「上方演芸会」を毎週楽しみに聴いていた、子供時代のアタシ。

アタシは正確に言って、ダイラケやいとこい世代ではないのかも知れません。
子供の頃には、漫画トリオ・かしまし娘を聴き、売りだし中だった「やすきよ」から紳助・竜助、B&B、ザ・ぼんちを聴いて漫才ブームに飛び込んだ世代なんでしょうけどね。
アタシは、いとこいさんが好きでしたな。後年、サブロー・シローの物まねで、妙に「「10万円、7万円、5万円、運命の分かれ道!」ってフレーズが耳に残ってしまった。

このいとこいさんが司会を務めた「がっちり買いましょう」を見ていたかは記憶にない。

そして、本当に不思議な事なんだけど、こんなに好きだったいとこいさんの漫才のネタを、アタシは覚えていないのだ。

ダイラケさんなら「青火がぱあ~、ボヤがぼお~」が浮かぶんだけど、なんでだろ?

その妙な印象の薄さって何だったんだろう。

いまとなってはそれさえ懐かしい。


…今回は上手い話ができなくて申し訳ない。





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2011/02/24 15:37 | Comments(0) | TrackBack() | 漫才
不況の世は気楽に無責任に~昭和のいるこいる
いや~、高田純次さん大好き!


元祖無責任男「植木等」の佇まいを継ぐ人は所ジョージか、と80~90年代は思われていたけど、今や高田純次さんがぶっちぎりです。
昔、明石家さんまさんが「生きてるだけで丸儲け」という言葉を残したけど、その言葉を生きていると思わせる人は芸界広しと言えども、高田さん以外には考えられないね…。さんまさんだって、たけしさんだって実際は働きづめに働いているイメージあるものね。
世の中、大不況で明日の飯にも困る人だっているこの国で(いや、アタシも4年前には失業者だったんだから、他人の事は言えないね。)あの人みたいになりたいと思っちゃうもの。

…おっと、高田さんの話じゃなかったですね。
でも、こういう芸風の人って演芸の世界には、
川柳川柳さんや快楽亭ブラックさんみたいなサンプルがいっぱいいます。
まあ、これは芸風というより生き様かも知れませんが…。

芸風でいうと、個人的に軽~いおかしさがある点で、
のいるこいる師匠が最近は一番ですね。

最近は…なんて、あの2人を寄席で初めて見たのはもう30年以上前だと思うんだけど、この前正月のお笑い番組に出たのを見るとほぼ…ではなく全く同じ!

結成は1966年っていうから、結成42年目。
それ考えたら近頃のお笑いはすぐ解散するね。
アタシが小学生の頃からヘッヘホッホやってたって事でしょう?
あの芸風がいつできたかはわからないけど、
ずっと同じことやって…いや、それを変えずに今になって売れて来たのは何だろう?

変えなかった事が、逆に今になって時代が追いついて来たのか?
不況の中、深刻な空気を軽く吹き飛ばして欲しいって事かな?
いずれにせよ。
今日もこいる師匠は、景気の行方に震えるわれわれを煙にまく。
そんな眉間にしわを寄せるな。
その顔が不景気だってんだ。気楽に行こうよ。
俺たちを見ろよ。笑って楽になれ。
40年以上もこれやってんだ。
ずっとやってりゃいい事あるさって。

いや、そうは言ってもね…
「はいはいはいはい、そうそうそうそう、しょーがねーしょーがねーしょーがねーって、謝っちゃえばいいや、はいはいはいはい…」

…全く敵わねぇや。

2009/01/05 00:50 | Comments(0) | TrackBack() | 漫才
レッドカーペット症候群
最近、車の中で「漫才名人選」を聴いてるとたけけです。
子供の頃聴いた「かしまし娘」にまたはまっております。
どーして、古くならないんだろうね。
やっぱり、芸の古典ってあるのね。
ただし、その人に限定してしまうのが、この種の芸の哀しいところ。

北斗神拳みたいに相伝とはいかない。

正司姉妹の間と芸は伝えられない。

宮川左近の笑いも引き継ぐ人はいない。

順子・ひろしの芸も…あー、もったいない。

そのあたり考えると、最近のレッドカーペット芸人って
演芸と言えるのかな?と思っちゃうなあ。

いや、芸はあるんですよ。芸は。
今風の芸が時代を席巻しているといっていいですよね。

「ザ・パンチ」なんて好きですよ。
あのひたすら嘆くっていいですよね。
その分、会い方のキャラが弱い気がするけど。
あの芸なら別に1分にしなくてもいいんじゃないの?みたいな。
もう少し、つなぐ話題があればね。
1分だから、いきなり「嘆き節」にはいっちゃう。
嘆きフレーズがこのコンビの笑いの命でキモ。
発想がぶっとべばそれだけ、笑いになる。
「砂漠の真ん中でラクダから落とされて~、置き去りにされなよ~」
なんてその場では結構笑えた。

ああいう 噛みあわない芸ってのは、「のいる・こいる」や「えつや・ひでや」みたいな現役の芸人さんにいっぱいいますからね。

あんまり畳み掛けるのをこういう場でタダで見せすぎちゃうと、
ライブで見るインパクトがなくなるし、
すぐに息詰まる恐れもある。
「哀しい時~」
もそんなもんだよね。
※いつもここから…好きだったけどね。

アタシ、レッドカーペットは嫌いじゃないんですよ。
ただ、レッドカーペットだけでしか受けそうもない?芸人さんがいっぱいいるのも不安です。
だって、今の笑いはあくまでもメディアの中にあるんだもの。
寄席にはないんだもの。

寄席に行かなければ見られない芸と、
テレビのチャンネル捻れば見られる芸は
本当は違うんだよね。

テレビで生き残る芸人って、楽屋話の上手い人になってますよね。
ほら、「すべらない話」ね。
アノ手の話芸を「芸」として視聴者はみてくれないんじゃないのかね?

もちろん、本当の彼らのファンはルミネやホールやライブハウスに足を運ぶでしょう。
そこで、「本当の」彼らの芸を見るんでしょう。
その他大勢の人たちにとって、
もうダウンタウンやナインティナインや雨上がり決死隊やキングコングあたりは
世間的には司会者芸人でしょう?
楽屋芸人でしょう?
彼ら、そう思ってないだろうケド。
後輩芸人達も、結局その当たりを狙ってる。

精力的にライブをやってる爆笑問題やさまあ~ずなんかも、
司会者芸人になってる。
司会芸だけで(見る人)みんな満足しちゃって
みんな寄席にもライブにも足を運ばない。

アタシがそうだもの。
「エンタ…」見て「笑金」見て「レッドカーペット」見て「すべらない話」見たら、
わざわざ芸を見に行かなくても「そこそこ笑える」
この種のお笑いブームは、
実は演芸の危機なんじゃないかな?って思ってるのはアタシだけかしらん?

でも今、もっと怖いのは、
レッドカーペットというスタイルが、
笑いにイラチな今の人に合ってるんじゃないか?って事です。
そのうち3分以上の芸を見るのに飽きちゃう人が増えてくるんじゃないかな?
芸人は1回ひとネタ以上要らなくなる。

ライブで10分以上かかる漫才芸が要らなくなってしまうんじゃないかな?
考えすぎかな?
そのあたりは、落語より深刻な気がするな。

2008/08/03 09:54 | Comments(0) | TrackBack() | 漫才
寄席で聞いた漫才~順子・ひろし
上野鈴本で初めて寄席に触れた。
もちろん落語が聞きたかったからだが、
合間に挟まる「色物」の芸には正直、惹かれた。
特に東京の寄席の漫才は昔子供の頃ラジオで聴いてた雰囲気そのままで、
面白いよりも、懐かしい気持ちがしたものだ。

「えつやひでや」「のいるこいる」「京丸京平」「球児好児」
「三太良太」「桂子好江」「ゆきえはなこ」「順子ひろし」

オンタイムで聴く事ができた。
漫才グループの名前は、名前を二つ連ねて表示している事が多い。
これらの名前の上に何がつくか?

「(新山)えつやひでや」「(昭和)のいるこいる」

「(東)京丸京平」「(青空)球児好児」

「(さがみ)三太良太」「(内海)桂子好江」

「(ふじ)ゆきえはなこ」「(あした)順子ひろし」

上にはちゃんと亭号が付くがだいたい下の名前で覚えてますね。

で、アタシが当時好きだった漫才コンビは、
「ゆきえ・はなこ」と「順子・ひろし」でした。

前者は「オペラ漫才」の話で書いたのですが、惜しくも引退なされて
今は見る事もできません。

「順子・ひろし」のご両人は、まだまだ現役です。

NHKの真打競演にも出てきます。

このコンビの凄さは、型は昔ながらの漫才なのですが、
現代性も持ち合わせたセンスのよさです。
適度に流行歌を織り交ぜて、漫才を組み立てるのは、
センスだと思います。

アタシが聴いた鈴本の舞台では、
確か、ひろしさんがマッチの「振られてバンザイ」と
シャネルズの「ランナウェイ」を歌っていました。

これ、カンタンなことじゃない。

ベテランが若い人に媚びた芸を見せても違和感しか残らない
今の若いコンビが今の歌を歌った場合、上手かも知れないが、
それはそれで、年代の会わない客を置いてけぼりにするし、
必ずしも、芸にはならないかも知れない。

うまく説明できないけど、
「順子・ひろし」の芸は凄いのです。
古い型の漫才で、今の笑いが取れるのです。

お笑いというジャンルは時代が選ぶものと言えます。
歌笑や三平といった爆笑王にしても、
あの時代を抜きにして考えることはできないでしょう。

(今聴くと、林家三平どころか、ツービートやB&Bでもあまり笑えない。)

順子・ひろしは、面白い。
この話はまた別の機会で…

2008/04/26 20:24 | Comments(0) | TrackBack() | 漫才
わっかるかな~?わっかんねーだろうな~。
昔、松鶴家千とせという芸人がいた。
わっかるかな~?
わっかんねーだろうな~。
絵に描いたような一発芸の人である。
て、いうか昭和の一発芸の代表みたいな人である、と言うのは言いすぎかしらん?

松鶴家の名前が示すとおり、
この人は松鶴家千代菊千代若師匠のお弟子であります。
「早く終わって帰ろうヨ」というギャグを残したコンビです。
その弟子だったわけなんで最初は漫才だったと記憶してますが、
やっぱり彼が売れたのは…シャバダバ~ウィ~で始まる漫談
「ヘヘェ~イ、シャバダバダ、俺が昔、夕焼けだった頃、弟は小焼けだった。父さんは胸やけで、母さん霜やけだった…わっかるかな~、わっかんねーだろうなぁ」とやって大ウケをとった。

世の中何がヒットするかわからない。
本当にヒットした。

どこに行っても、
彼が指を鳴らし
「夕焼けぇ、小焼けぇでぇ、陽がくれて~」とやると、それだけで会場の観客が大笑いしたものだ。

ただ、当時学生だった自分は全くこの人の漫談に笑えなかった。

公式プロフィールを見つけたので、自分の記憶を辿りながら調べてみた。

『昭和28年、歌手を志し福島県から上京。松鶴家千代若・千代菊へ入門。
 同時期、歌謡教室に通うかたわら、理容師の免許取得、そして、漫才・司会等、幅広く活躍した後、昭和42年千とせ流家元三代目・『松鶴家千とせ』を襲名。  
漫談という芸に自分の生きる道を見つけ、漫談の中に童謡を取り入れる。しかも、ジャズのフィーリングタッチで千とせ独自の「メルヘンの世界」を築き上げ、ファンの年齢層を広げると共に、『わかるかなぁ・わかんねぇだろうなぁ』の流行語を生みだし、爆発的な人気を得て、テレビ・映画・ドラマ・レコード・(歌手)・雑誌・CM・寄席等とマルチに活躍。
    昭和51年 第5回放送演芸大賞 漫談部門 受賞
    昭和51年 ビクター音楽産業株式会社よりヒット賞 受賞
    昭和59年 第8回パロディ展特別部門賞 優秀賞受賞
 お笑いスター誕生で、華々しく迎え、大衆芸能界では、常に新しいものを提供している貴重な人物であり、アメリカ諸国等海外進出し、まさに、吟遊詩人であり、日本を代表するエンターティナーである。』

現在の彼を考える時、どうかなと思うのはアタシだけじゃないだろう。
彼が50年代に売れまくったのは認める。
でも常に当たらしもの提供する貴重な人物とまで言えるのかちょっとわかんない。
その理由は、今彼は売れてないからである。
そして、それで十分、これは誇大広告である。

当時談志さんか「あんなもんはもたねえ」と言って自分の高座で「シャバダバ~」なんてやってたけどあれは談志流の批評だったのかね?

おそらく漫談に童謡を取り入れたと言うのは「夕焼けぇ、小焼けでぇ♪」とやった事をいってるんだろうし、
ジャスのフィーリングタッチとは指を鳴らしながら「イェ~イ、シャバダバ~とスキャットを挟んで『俺が昔、夕焼けだった頃…』と語ったのがメルヘンタッチというヤツだろう。
当時からアタシは笑ってなかったので、
アタシの頭の中では、完全に「あの人は今」状態だった。
今年で芸歴55年、今月は浅草東洋館に出演している千とせ師匠。

憶えているのは、「わっかるかな~」がひとやま越えて落ち着いていた頃、ジャズではなく南方の音楽みたいなノリで「ハイジャマージャ~」とやってハイジャというタイ人の若者の話をかけていたのを聴いたのが最後になって今まで来ている。
そこでも「ハイジャは敗者(ハイジャ)復活戦に登場した」というギャグを使って、無理やり笑いを取っていたけど、
正直アタシにはおもしろくなかった。
そして今も毎日お忙しい千とせ師匠。

この人の素晴らしいところは「芸はマンネリ」と達観しているところ
割り切って同じ芸をやり続けることの素晴らしさ。
この粘り強さは見習っておかないと。






2007/12/09 02:18 | Comments(0) | TrackBack() | 漫才

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