新年第2回目の…(苦笑)
なんだか月1回の書き込みになっちまったね。
深い意味ではないんです。
そこそこ仕事が忙しいだけなんです。
いくら何でも、趣味のブログで仕事に迷惑になっちゃいけませんものね。
今年はNHK秋の連続ドラマが「ちりとてちん」という、主人公が上方落語の世界に飛び込むものです。
朝の8時15分と昼の12時45分と、正直中途半端ですわな。
見てる人いらっしゃいますか?
「ちりとてちん」とは、上方落語の噺の名前で、東京では「酢豆腐」といいます。「酢豆腐」はみなさん、よくご存知なお話で、暇な長屋の若い衆が金がないとて、何とか銭のかからない暑気払いはないか、と相談するところから始まります。
暇な貧乏人はいろんな事を考えるもんですな。
酒は何とか都合はするが、アテ(肴)がない。誰かが糠味噌桶の底をかき回して古漬を出しかくやのこうこはどうだと提案。さて、誰が糠味噌桶に手をつっこむか?となったら誰もやりたがらない。たまたま通りかかった畳屋の半公をおだてて取らせようとするが、半公断るかわりに金を置いていく。(ま、巻き上げたようなもんだけどね。)
そこでふと、昨日豆腐を買ってあった事を思い出す。
「与太、あの豆腐はどうした?」
「ああ、あれはアタイがねずみいらずの中に仕舞ってある。」
一同、嫌な予感。
開けてみると、豆腐に綺麗な花が咲いてる(与太)さらに物凄い臭気である。
このカビだらけの豆腐を見て誰かが一計(悪巧み)を案じる。
いつもキザで嫌われ者の伊勢屋の若旦那に食わしちまおうってわけだ。
また、丁度いいタイミングで犠牲者は横丁を通りかかる。
「おう、若旦那ぁ!」
「いよっ、こんつわ!(『こんにちは』のつもりね)」
そんな若旦那を、一同呼び止め、しきりと持ち上げる。
「若旦那なんざぁ、通な方だ。夏にはどういうものを召し上がります?」
「せつなぞは、もう飽きてしまいまして、人の食わないものを頂いてみたいですな」というので、
「知らないものはないでしょう?」
「いやぁ、もちりん(『もちろん』のつもりね)」
「舶来物の珍味らしいんだが、皆、何だかわからねえんだ。若旦那ならきっとご存知でしょう?」
出てきたものは例の腐った豆腐。
若旦那「知らないものはない」と言った手前、「知らない」と言えない。
「これはセツら通の好むものですな。一回食ったことがごわす」と言っちまった
「じゃあ、若旦那一口やっておくんなさい」
「お願いしやす」
「お願いしやす」
みんな面白くてしょうがない。
ついに食べる事と相成る。知ったかぶりはするもんじゃない。
「眼にピリっときやすな、鼻にツンっとくる…眼ピリ鼻ツンでげすな」
ついに若旦那、この豆腐を食べた。
「おいおい、食べたよ、いや~、若旦那どうです?」
「いやぁ~乙だね」
「これは何てえ名前です?」
「これは酢豆腐でげしょう」
苦し紛れでもよくつけた名前ですな。
「もう一口やっておくんなせえ!」
冗談じゃない若旦那
「いや、酢豆腐は一口に限りやす」
これが上方に行って「ちりとてちん」になるわけですね。
落語ファンなら誰でも知ってる話です。
「そば清」と「蛇含草」の関係みたいなもんかな?
ただ、筋立てはずいぶん違います。
町内の若い衆が出てきません。
「ちりとてちん」をアタシは桂南光サンで聞きました。
旦那の誕生日にやってきた喜助(だと思ったけど)
昼間から酒を飲みたい旦那さん、
「今日はわしの誕生日でな、まぁ祝うほどの歳でもないんやけど、昼間から一杯飲めるがな。しかし酒といぅのは一人では頼りないんで、お相手をしてもらおうと思うて呼びにやったようなことや。忙しいとこ済まなんだなあ。」
こうして一緒に酒を付き合う事になった喜助、
この人がものすごいお調子者。
酒(白菊)を褒める、鯛の刺身を褒める、茶碗蒸し、白米に至るまで褒め上げる。
「旦さん、これ初めてですわ。」
「初物を食べると寿命が75日延びますな」とおべんちゃら(お世辞)を言って旦那を喜ばせる男。
旦那も悪い気もしない。
「あんたに比べて、裏に住んでる竹っちゅう男、あの男は憎たらしぃ男
やで。あんたみたいに旨いとか美味しいと言ぅたことがない。」と、ここでいつも昼時に現れる癖に出された料理を美味いと言ったことがない竹という男の話題になる。
旦那、誕生日の趣向として、竹に一泡吹かせる相談を始める。
そこへ、丁度水屋で腐った豆腐が見つかった。
「豆腐がおもしろいことになってます?何や?」
「ひゃあ、豆腐が十日経つと黄色小さなって、あっちこっち赤、青、黄色、黒、灰色……、カビが生えて。ちょっと見たら綺麗ぇやなぁ……、喜さん見てみなはれ、豆腐の腐ったやつ」
「豆腐の腐ったやつ?旦さん、初めてですわ…」
「…あんた食べる気かいな」
これを「長崎名産 ちりとてちん」と言って竹に食わせるという相談がまとまったわけです。
なぜ長崎か?
4、5日前にやって来た竹、ちょっと九州の長崎の方で遊んできたと言う。旦那が長崎の町はどういう町だと聞くと「旦さん、長崎ご存知やおませんか?名前の通り長~い崎の町でしたヨ」と答えたんだそうな。旦那さん、「長~い崎の町」は許すが「お終いのヨ」がムカツク…旦那も変な人だね…。
そんなわけで、だまし討ちにする事が決まりました。
そうとは知らずに訪れた竹、案の定酒(白菊)をけなす、鯛の刺身をけなす…。
「旦さん。わたしを呼ぶんやったら「こんなもんがよぉ手に入りましたなぁ」とビックリするような、いわゆる珍味を用意しときなはれっちゅうてますねん」
(ほら、飛んで火に入る夏の虫)
ここぞといって出された「元祖長崎名物ちりとてちん」
竹さん、「ちりとてちん」を知っていると言うので、面白がって食わせると、一口で悶え苦しむ。
「う~ん、オェ~ッ……あー美味しぃ」
「ホンマかいな? お前、涙にじんでるがな」
「涙が出るほど美味しいですわ。」
「わしら食べたことないんで分からんけど「ちりとてちん」て一体どんな味や?」
「早い話が、豆腐の腐ったよぉな味でんねん。」ってそりゃそうだ。
貧乏な若い衆が嫌味な金持ちの若旦那をやっつける酢豆腐と、お金持ちの旦那さんが戯れに知ったかぶりのご近所をやっつけるちりとてちん。
サゲも含めて、ずいぶん変わってしまいましたね。
さて、ドラマのちりとてちん、どう終わるんでしょうね?
なんだか月1回の書き込みになっちまったね。
深い意味ではないんです。
そこそこ仕事が忙しいだけなんです。
いくら何でも、趣味のブログで仕事に迷惑になっちゃいけませんものね。
今年はNHK秋の連続ドラマが「ちりとてちん」という、主人公が上方落語の世界に飛び込むものです。
朝の8時15分と昼の12時45分と、正直中途半端ですわな。
見てる人いらっしゃいますか?
「ちりとてちん」とは、上方落語の噺の名前で、東京では「酢豆腐」といいます。「酢豆腐」はみなさん、よくご存知なお話で、暇な長屋の若い衆が金がないとて、何とか銭のかからない暑気払いはないか、と相談するところから始まります。
暇な貧乏人はいろんな事を考えるもんですな。
酒は何とか都合はするが、アテ(肴)がない。誰かが糠味噌桶の底をかき回して古漬を出しかくやのこうこはどうだと提案。さて、誰が糠味噌桶に手をつっこむか?となったら誰もやりたがらない。たまたま通りかかった畳屋の半公をおだてて取らせようとするが、半公断るかわりに金を置いていく。(ま、巻き上げたようなもんだけどね。)
そこでふと、昨日豆腐を買ってあった事を思い出す。
「与太、あの豆腐はどうした?」
「ああ、あれはアタイがねずみいらずの中に仕舞ってある。」
一同、嫌な予感。
開けてみると、豆腐に綺麗な花が咲いてる(与太)さらに物凄い臭気である。
このカビだらけの豆腐を見て誰かが一計(悪巧み)を案じる。
いつもキザで嫌われ者の伊勢屋の若旦那に食わしちまおうってわけだ。
また、丁度いいタイミングで犠牲者は横丁を通りかかる。
「おう、若旦那ぁ!」
「いよっ、こんつわ!(『こんにちは』のつもりね)」
そんな若旦那を、一同呼び止め、しきりと持ち上げる。
「若旦那なんざぁ、通な方だ。夏にはどういうものを召し上がります?」
「せつなぞは、もう飽きてしまいまして、人の食わないものを頂いてみたいですな」というので、
「知らないものはないでしょう?」
「いやぁ、もちりん(『もちろん』のつもりね)」
「舶来物の珍味らしいんだが、皆、何だかわからねえんだ。若旦那ならきっとご存知でしょう?」
出てきたものは例の腐った豆腐。
若旦那「知らないものはない」と言った手前、「知らない」と言えない。
「これはセツら通の好むものですな。一回食ったことがごわす」と言っちまった
「じゃあ、若旦那一口やっておくんなさい」
「お願いしやす」
「お願いしやす」
みんな面白くてしょうがない。
ついに食べる事と相成る。知ったかぶりはするもんじゃない。
「眼にピリっときやすな、鼻にツンっとくる…眼ピリ鼻ツンでげすな」
ついに若旦那、この豆腐を食べた。
「おいおい、食べたよ、いや~、若旦那どうです?」
「いやぁ~乙だね」
「これは何てえ名前です?」
「これは酢豆腐でげしょう」
苦し紛れでもよくつけた名前ですな。
「もう一口やっておくんなせえ!」
冗談じゃない若旦那
「いや、酢豆腐は一口に限りやす」
これが上方に行って「ちりとてちん」になるわけですね。
落語ファンなら誰でも知ってる話です。
「そば清」と「蛇含草」の関係みたいなもんかな?
ただ、筋立てはずいぶん違います。
町内の若い衆が出てきません。
「ちりとてちん」をアタシは桂南光サンで聞きました。
旦那の誕生日にやってきた喜助(だと思ったけど)
昼間から酒を飲みたい旦那さん、
「今日はわしの誕生日でな、まぁ祝うほどの歳でもないんやけど、昼間から一杯飲めるがな。しかし酒といぅのは一人では頼りないんで、お相手をしてもらおうと思うて呼びにやったようなことや。忙しいとこ済まなんだなあ。」
こうして一緒に酒を付き合う事になった喜助、
この人がものすごいお調子者。
酒(白菊)を褒める、鯛の刺身を褒める、茶碗蒸し、白米に至るまで褒め上げる。
「旦さん、これ初めてですわ。」
「初物を食べると寿命が75日延びますな」とおべんちゃら(お世辞)を言って旦那を喜ばせる男。
旦那も悪い気もしない。
「あんたに比べて、裏に住んでる竹っちゅう男、あの男は憎たらしぃ男
やで。あんたみたいに旨いとか美味しいと言ぅたことがない。」と、ここでいつも昼時に現れる癖に出された料理を美味いと言ったことがない竹という男の話題になる。
旦那、誕生日の趣向として、竹に一泡吹かせる相談を始める。
そこへ、丁度水屋で腐った豆腐が見つかった。
「豆腐がおもしろいことになってます?何や?」
「ひゃあ、豆腐が十日経つと黄色小さなって、あっちこっち赤、青、黄色、黒、灰色……、カビが生えて。ちょっと見たら綺麗ぇやなぁ……、喜さん見てみなはれ、豆腐の腐ったやつ」
「豆腐の腐ったやつ?旦さん、初めてですわ…」
「…あんた食べる気かいな」
これを「長崎名産 ちりとてちん」と言って竹に食わせるという相談がまとまったわけです。
なぜ長崎か?
4、5日前にやって来た竹、ちょっと九州の長崎の方で遊んできたと言う。旦那が長崎の町はどういう町だと聞くと「旦さん、長崎ご存知やおませんか?名前の通り長~い崎の町でしたヨ」と答えたんだそうな。旦那さん、「長~い崎の町」は許すが「お終いのヨ」がムカツク…旦那も変な人だね…。
そんなわけで、だまし討ちにする事が決まりました。
そうとは知らずに訪れた竹、案の定酒(白菊)をけなす、鯛の刺身をけなす…。
「旦さん。わたしを呼ぶんやったら「こんなもんがよぉ手に入りましたなぁ」とビックリするような、いわゆる珍味を用意しときなはれっちゅうてますねん」
(ほら、飛んで火に入る夏の虫)
ここぞといって出された「元祖長崎名物ちりとてちん」
竹さん、「ちりとてちん」を知っていると言うので、面白がって食わせると、一口で悶え苦しむ。
「う~ん、オェ~ッ……あー美味しぃ」
「ホンマかいな? お前、涙にじんでるがな」
「涙が出るほど美味しいですわ。」
「わしら食べたことないんで分からんけど「ちりとてちん」て一体どんな味や?」
「早い話が、豆腐の腐ったよぉな味でんねん。」ってそりゃそうだ。
貧乏な若い衆が嫌味な金持ちの若旦那をやっつける酢豆腐と、お金持ちの旦那さんが戯れに知ったかぶりのご近所をやっつけるちりとてちん。
サゲも含めて、ずいぶん変わってしまいましたね。
さて、ドラマのちりとてちん、どう終わるんでしょうね?
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