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2025/01/31 08:46 |
うーん、まだまだ!
先日、名跡の復活の話をして、
その中で、名跡かどうかは別として、
林家木久蔵という名前も2代目が誕生した。
きくお改め木久蔵である。

NHKのラジオで林家木久蔵(当代)の野ざらしを聞いたけど、残念だけどマダマダだったね。
とてもじゃないが、
笑いも感心もしなかった…。

「鐘がぼんとな~りゃあさぁ…」と主人公が唸る一節も中途半端
この人の噺は誰から習ったんだろ?

この噺は元々先々代の春風亭柳好さんが有名だったネタらしいですね。
アタシは、小三治師匠で、昔聞いた事があります。
これはNHKのテレビだったか、
それとも寄席だったか、覚えてないです。

柳好師匠の噺は、テープがあって、それを聴いた事もありますが、
小三治師匠の演出は、それに似たもので、

「鐘がぁ~ゴンとなりゃさぁ 上げ~潮ぉ南さぁ♪
カラスがパッと出りゃ コラサノサ~ィ 
骨(コツ)があるサーイサイ そらスチャラチャンたら」
のサイサイ節はとても上手かった。
アタシはこの噺、そこが一番好きなんだ。
それから、妄想でのろけているうちに、自分の鼻を釣ってしまい腹を立て、

「こんな物が付いてるからいけないんだよ。大体な、釣りにこんな物要らねぇんだ!」

そう言うと、外した釣り針を川に放り込んで「サァ来い!!」

「おいおいあの人、針捨てちゃったよ!」
ってところ。

たぶん、木久蔵さんの噺はそのあたりがよくなかった。
特にサイサイ節は、自信が無かったとしか感じられなかった。

だったら、むしろサイサイ節じゃなくて、
ラップでやったってよかったんだよね。
アタシゃ、そう思う、

改作はまずいかも知れないけど、
下手なサイサイ節を聞くよりはずっといい。

一生懸命、古典を学んでいるという木久蔵さん、
ぜひ、得意な噺を聴いてみたいものです。
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2008/04/20 14:58 | Comments(0) | TrackBack() | 落語
落語家の襲名
4月11日の読売新聞夕刊によれば、
今年から来年にかけて落語家の大きな名跡の復活が続くんだそうな。
5月に六代目古今亭今輔を錦之輔さんが襲名。
9月には四代目三遊亭歌奴を歌彦さんが、八代目春風亭柳橋を柏枝さんが襲名と続き、来年には前にも話しましたが林家いっ平が二代目林家三平を襲名するそうです。

紙面では、もう二代目を継いだ林家木久蔵さんも紹介されています。

特徴的なのは、先代の芸風を意識しつつ自分なりの名前を作りたいとする今輔さんやいっ平さんのような人と、
先代の芸風や大きな名前を継ぐ重圧を意識しないで、自分なりの名前にしたいという、肩の力を抜いた意識の歌奴さん、柳橋さんといったグループ

しかし、どちらも覚悟は固い

木久蔵さんは襲名後は「古典ばかり演じている」小朝師匠に古典を教わり、古典を100覚え、「それで親子が補えあげればいい」との事。
柳橋さんも、古典の改作で有名になった先々代ではなく「正統派の古典落語をしっかり受け継ぐ」と言う。

ネット等ではいろいろと批判めいた言葉もあると聞きますが、
いいじゃないすか?
野球の永久欠番じゃあるまいし。
みんな伸び伸びやっていただきたいと思うのはあたしだけでしょうかね?

2008/04/12 08:18 | Comments(0) | TrackBack() | 落語
ちりとてちん
新年第2回目の…(苦笑)
なんだか月1回の書き込みになっちまったね。
深い意味ではないんです。

そこそこ仕事が忙しいだけなんです。
いくら何でも、趣味のブログで仕事に迷惑になっちゃいけませんものね。

今年はNHK秋の連続ドラマが「ちりとてちん」という、主人公が上方落語の世界に飛び込むものです。
朝の8時15分と昼の12時45分と、正直中途半端ですわな。
見てる人いらっしゃいますか?

「ちりとてちん」とは、上方落語の噺の名前で、東京では「酢豆腐」といいます。「酢豆腐」はみなさん、よくご存知なお話で、暇な長屋の若い衆が金がないとて、何とか銭のかからない暑気払いはないか、と相談するところから始まります。
暇な貧乏人はいろんな事を考えるもんですな。
酒は何とか都合はするが、アテ(肴)がない。誰かが糠味噌桶の底をかき回して古漬を出しかくやのこうこはどうだと提案。さて、誰が糠味噌桶に手をつっこむか?となったら誰もやりたがらない。たまたま通りかかった畳屋の半公をおだてて取らせようとするが、半公断るかわりに金を置いていく。(ま、巻き上げたようなもんだけどね。)
そこでふと、昨日豆腐を買ってあった事を思い出す。
「与太、あの豆腐はどうした?」
「ああ、あれはアタイがねずみいらずの中に仕舞ってある。」
一同、嫌な予感。
開けてみると、豆腐に綺麗な花が咲いてる(与太)さらに物凄い臭気である。
このカビだらけの豆腐を見て誰かが一計(悪巧み)を案じる。
いつもキザで嫌われ者の伊勢屋の若旦那に食わしちまおうってわけだ。
また、丁度いいタイミングで犠牲者は横丁を通りかかる。

「おう、若旦那ぁ!」

「いよっ、こんつわ!(『こんにちは』のつもりね)」

そんな若旦那を、一同呼び止め、しきりと持ち上げる。

「若旦那なんざぁ、通な方だ。夏にはどういうものを召し上がります?」

「せつなぞは、もう飽きてしまいまして、人の食わないものを頂いてみたいですな」というので、

「知らないものはないでしょう?」

「いやぁ、もちりん(『もちろん』のつもりね)」

「舶来物の珍味らしいんだが、皆、何だかわからねえんだ。若旦那ならきっとご存知でしょう?」
出てきたものは例の腐った豆腐。
若旦那「知らないものはない」と言った手前、「知らない」と言えない。

「これはセツら通の好むものですな。一回食ったことがごわす」と言っちまった

「じゃあ、若旦那一口やっておくんなさい」

「お願いしやす」

「お願いしやす」

みんな面白くてしょうがない。

ついに食べる事と相成る。知ったかぶりはするもんじゃない。

「眼にピリっときやすな、鼻にツンっとくる…眼ピリ鼻ツンでげすな」

ついに若旦那、この豆腐を食べた。

「おいおい、食べたよ、いや~、若旦那どうです?」

「いやぁ~乙だね」

「これは何てえ名前です?」

「これは酢豆腐でげしょう」
苦し紛れでもよくつけた名前ですな。
「もう一口やっておくんなせえ!」
冗談じゃない若旦那
「いや、酢豆腐は一口に限りやす」

これが上方に行って「ちりとてちん」になるわけですね。
落語ファンなら誰でも知ってる話です。
「そば清」と「蛇含草」の関係みたいなもんかな?

ただ、筋立てはずいぶん違います。
町内の若い衆が出てきません。

「ちりとてちん」をアタシは桂南光サンで聞きました。

旦那の誕生日にやってきた喜助(だと思ったけど)
昼間から酒を飲みたい旦那さん、
「今日はわしの誕生日でな、まぁ祝うほどの歳でもないんやけど、昼間から一杯飲めるがな。しかし酒といぅのは一人では頼りないんで、お相手をしてもらおうと思うて呼びにやったようなことや。忙しいとこ済まなんだなあ。」
こうして一緒に酒を付き合う事になった喜助、
この人がものすごいお調子者。
酒(白菊)を褒める、鯛の刺身を褒める、茶碗蒸し、白米に至るまで褒め上げる。
「旦さん、これ初めてですわ。」
「初物を食べると寿命が75日延びますな」とおべんちゃら(お世辞)を言って旦那を喜ばせる男。
旦那も悪い気もしない。
「あんたに比べて、裏に住んでる竹っちゅう男、あの男は憎たらしぃ男
やで。あんたみたいに旨いとか美味しいと言ぅたことがない。」と、ここでいつも昼時に現れる癖に出された料理を美味いと言ったことがない竹という男の話題になる。

旦那、誕生日の趣向として、竹に一泡吹かせる相談を始める。

そこへ、丁度水屋で腐った豆腐が見つかった。
「豆腐がおもしろいことになってます?何や?」

「ひゃあ、豆腐が十日経つと黄色小さなって、あっちこっち赤、青、黄色、黒、灰色……、カビが生えて。ちょっと見たら綺麗ぇやなぁ……、喜さん見てみなはれ、豆腐の腐ったやつ」

「豆腐の腐ったやつ?旦さん、初めてですわ…」

「…あんた食べる気かいな」

これを「長崎名産 ちりとてちん」と言って竹に食わせるという相談がまとまったわけです。
なぜ長崎か?

4、5日前にやって来た竹、ちょっと九州の長崎の方で遊んできたと言う。旦那が長崎の町はどういう町だと聞くと「旦さん、長崎ご存知やおませんか?名前の通り長~い崎の町でしたヨ」と答えたんだそうな。旦那さん、「長~い崎の町」は許すが「お終いのヨ」がムカツク…旦那も変な人だね…。

そんなわけで、だまし討ちにする事が決まりました。

そうとは知らずに訪れた竹、案の定酒(白菊)をけなす、鯛の刺身をけなす…。
「旦さん。わたしを呼ぶんやったら「こんなもんがよぉ手に入りましたなぁ」とビックリするような、いわゆる珍味を用意しときなはれっちゅうてますねん」

(ほら、飛んで火に入る夏の虫)
ここぞといって出された「元祖長崎名物ちりとてちん」
竹さん、「ちりとてちん」を知っていると言うので、面白がって食わせると、一口で悶え苦しむ。

「う~ん、オェ~ッ……あー美味しぃ」

「ホンマかいな? お前、涙にじんでるがな」

「涙が出るほど美味しいですわ。」

「わしら食べたことないんで分からんけど「ちりとてちん」て一体どんな味や?」

「早い話が、豆腐の腐ったよぉな味でんねん。」ってそりゃそうだ。

貧乏な若い衆が嫌味な金持ちの若旦那をやっつける酢豆腐と、お金持ちの旦那さんが戯れに知ったかぶりのご近所をやっつけるちりとてちん。
サゲも含めて、ずいぶん変わってしまいましたね。

さて、ドラマのちりとてちん、どう終わるんでしょうね?




2008/02/11 10:38 | Comments(4) | TrackBack() | 落語
花筏(三遊亭圓生・桂枝雀)
今朝の立川志の輔「落語でデート」演目は「花筏」でした。
圓生師匠の名演。
この番組、昔の名人上手の、今は聞くことができない演目が聞けるのがいいところ。

さて、「花筏」ってどんな話?

江戸時代の話です。
今と同じで相撲取りは本場所が終わると勧進元に呼ばれて地方に巡業に出ていました。

「一年を十日で過ごすよい男」

当時の相撲は国技ではないにしても神事でしたので、
相撲を呼ぶって事は、土地の神様を鎮護する意味もあったらしいね。
四股を踏むのは穢れや邪気を払い、五穀豊穣や無病息災をこの土地にもたらす行為なんです。だから相撲取りは神様に神託をもらった特別な人、力士に抱かれた赤ちゃんは健康に育つといわれ、手形は縁起物とされるのです。いや、受け売りですけどね。
(わかるかな~?モンゴルから来た横綱よ)

さて、当時の相撲の番付の最上位は大関です。
横綱ってのは吉田司家が免許を与えた大関に対する名誉称号に過ぎなかったんですね。
だから、強くても時の運、お抱えの大名たちの力関係などで横綱になれなかった大関はいっぱいいたそうです。
有名なところでは雷電為右ェ門は大関止まりです。

おっと、花筏の話でしたな。

さて、江戸で名代(なだい)の大関である花筏が、
病気になって寝込んでしまいました。
ところが、実は花筏が所属する部屋が水戸の大浜に巡業に行くことが既に決まっており、先方の勧進元も花筏を是非連れてきてほしいとのことだったので困ってしまった。

困ってしまった花筏の師匠である親方が、近所の提灯屋の職人が花筏によく似ていることに目をつけて巡業に身代わりなってでくれと頼むところから始まるんですね。
提灯屋さん、最初はいやで断るものの、親方が提示した
「相撲は取らず、うまいものを食べて、酒飲んで、日当二分」という誘惑に乗せられ結局は大関の身代わりに水戸まで行くことにしたって話。
(上方落語だと、花筏は大阪相撲の大関と言う事になります。行き先も水戸ではなく高砂への巡業になります。)

さて、提灯屋さん、ニセモノとばれることなく
順調に興業もすすみ、
明日は千秋楽で江戸へ帰るという日になって、困ったことになった。
先方から一度だけでいいから大関の花筏に相撲を取ってもらいたいと言ってきたのだ。
親方も勧進元から口説かれて、なんとか仲間内の八百長でかたづけようと思案したのだが、

先方からはそれなら土地の素人相撲の千鳥ヶ浜と結びの一番をとってほしいと頼み込まれ、親方も渋々承知してしまった。

さあ、大変なのは提灯屋。

千鳥ヶ浜は、連日、本場の相撲取りを相手に連勝している地元の素人力士だ。プロでも勝てないのに酒太りの提灯屋なんか殺されてしまうかも知れない。
逃げる算段を考える提灯屋に親方が策を与える。
立合いで張り手を打つと見せかけて転べば、提灯屋もけがをせず、
花筏にも、病気のためという評判で疵がつかない。千鳥ヶ浜も勝つことで、地元の人も喜ぶ、これで三方うまく収まるだろうと言う事。
了解した提灯屋夜中にドシーンドシーンと転ぶ稽古。
一方の千鳥ヶ浜、夢にまで見た大関と相撲を取りたい。
しかし、両親は止める。なぜかと言うと、明日の相撲はプロを相手に連勝している千鳥ヶ浜への遺恨相撲になる。
最後に強い大関が出てきて調子に乗った素人相手に遺恨を晴らしてやろうという魂胆に違いないというものだ。
相撲をとったら勘当するという親の言葉に明日は出ないで見るだけにすると誓う千鳥ヶ浜です。

(噺ではこんな面倒くさいことはもちろん言いませんよ。「遺恨相撲になる」と一言です。上方落語では『一番憎い千鳥が浜、土俵の上で叩き殺して溜飲下げてシュ~ッと大阪へいのっちゅうので、一番強い花筏が出て来たんじゃ。』というセリフになります)

さて、翌日は千秋楽、
提灯屋、その気もないのに生まれて初めての相撲をとることになった。
千鳥ヶ浜も、その気がなかったのに周囲にはやし立てられ土俵に上がってしまった。
いざ、仕切りで相手の目を見てしまった提灯屋、
相手の物凄い闘志溢れる眼光に当てられすっかり金縛り、動けなくなってしまった。

「こりゃ、転ぶ前に投げ殺されてしまいそうだ、オレはここで死んでしまうのか」

思わず涙を流して念仏を唱える「南無阿弥陀仏」

千鳥ヶ浜、驚いた。

「なんで、大関は泣いてるんだ?…あ、こりゃあ、やっぱり遺恨相撲だ、親の言いつけを破った罰だ。オレはここで殺される」
と、涙を流し始める。

困ったのは行司、息が合うはずがない
思わず軍配をひいた。

「ハッケヨイ!」

提灯屋、転ぶこともできず夢中になって手を出して突いた。
千鳥ヶ浜は出遅れてひっくりかえってしまった!

軍配は「花筏~!」
会場大歓声です。
「今の相撲は見事な張りだね。大関の張り手はうまいもんだ」

うまいわけです。何せ商売が提灯屋ですから

長い引用だったね。
この噺、アタシはテープで先代の円歌と桂枝雀で聴いてますが、
上方と江戸の作品の作りの違いはあるものの、
笑いに関しては上方の方が数段面白い。
演じているのが枝雀だからかも知れないが。

提灯屋の描写、相撲風景、花筏が相撲をとらなければいけなくなった理由も、東京は「地元に頼まれたから」だけですが、上方は「宿の亭主が勧進元に偽者の行状を報告する。『花筏関、相撲の取れん病人やそぉでおますけど、毎日、飯三升に酒五升呑まはります。あんな達者な病人見たことない』おまけに宿の女御衆に夜這いをかけてしまうに至って、そんな元気なら相撲が取れん事はなかろう」ともって行く。

オチも「『見たか!花筏、強いなぁ~。千鳥が浜、何じゃかんじゃ言ぅてもやっぱりあきゃせんわい、素人じゃわい。花筏がひとつバ~ンと張っただけで飛んでしまいよった。花筏は張るのがうまいなぁ~!』うまいはずです。提灯屋の職人でございます。」と、スッキリとサゲる。

ひとつのテキストを大勢で寄ってたかって(言い過ぎか)磨いたり加えたり削ったりして作り上げるのが落語という作品と言う事を考えると、
この噺は比べて聴くともっと興味深いと思います。


2007/11/17 18:15 | Comments(0) | TrackBack() | 落語
三平襲名…さてこれからが
林家三平という落語家、
アタシはついに最後までよくわからなかった。

やっぱ印象的なのは「源平」かなぁ?

あの屋島の合戦のことを題材にしたヤツね。
那須の与一が鏑矢で船上に掲げた扇の的を射るまでの話だけど、
そこにいたるところで、いろんなクスグリを入れているギャグ噺。

その演者の個性が重要な噺です。

林家三平と言う人、
このギャグが半端でなかった。
円蔵サンのようにぶっとんだものではない。
それはむしろ古典的ですらある。

でも、やっぱり三平は面白かった。
このブログの最初の方の内容にかぶるんだけど、
これを蒸し返すのは、
次男いっ平が三平を継ぐ記事が載ったから。

アタシは林家正蔵の名跡とは異なり、
三平の名前は襲名してから作り上げていくものじゃないかと思う。
芸よりも芸人のあり方を問われる名前なんじゃないかと。

あの「家」に生まれた以上、一生抜けられない業のようなものの中で、
いっ平あらため三平がどう見せていくのか、
個人的にはとっても興味があります。

もちろん、芸を期待してないわけではないですよ。
ただ、アタシはいっ平の芸wぽ見ていないので…どうも、すいません

2007/10/31 22:15 | Comments(0) | TrackBack() | 落語

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