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2024/05/19 22:12 |
芸とは儚いもんですな。
おっとう、
少し寝ているうちに、1月以上過ぎていたね。
なんて…。

最後に書いたのが「落語娘」かあ。
川柳川柳師匠は稀代の変人だって事は伝えたかったんですよね。
アタシは、幸運にして師匠の「ガーコン」を見る事ができたわけですが、
もう、中身を覚えてない(笑)

ただ、ラッパとウッドベースの口まねが物凄く上手かったという記憶だけが残ってる。

師匠本人だったら
それだけで十分だって言うんでしょうが。

今は、落語を録ったテープやDVDがありますから、
ちょっと名の売れた芸人さんや、昔の名人上手の演目は、
アタシらみたいな乗り遅れたファンなんかにも
簡単に聴く事ができる。

それでもやっぱり、
芸って儚いなと思ってしまう。

例えば、何度もこのブログで話を出すけど、
アタシが池袋演芸場で泣くほど感激した志ん朝師匠の「幾代餅」
今だって、テープやDVDで聴けるけど、
やっぱり、あの場で聞いたものは違うんですよね。
口ぶりも声の高さも手振りもノリも違う。

これは当たり前で、
ライブの芸はその場の観客のノリようでいかようにも変わってしまう。
あの日の池袋演芸場に来たお客さんの食いつき方から、笑いのツボまで、
感じながら演った志ん朝師匠の「その場限り」の名演だったと思うんです。

だから、1回こっきりだけど、アレ以上の志ん朝落語をアタシゃ知らない。

圓鏡さん~いや圓蔵師匠の「反対車」なんて何回聞いてるかわからない。
鈴本でも聴いた。
末広亭でも聴いた。
何回でも笑うネタだが、やっぱり、ハコの大きさも違うけど、
演リ方を変えているんでしょうね。

ライブ芸人の凄さです。

尊敬する作家の?堀井雄一郎さんが「落語はライブで聴こう」とおっしゃる。

確かに金と暇があればいくらでも、当代の名人を聴く事ができるわけで、
いつまでも圓生・志ん生・金馬・小さんのテープにかじりつくこともないんですよね。

しかし、ライブ芸はブレがある。
体調、場所、お客、演目などなど。
今のお客さんは、このブレにガマンできないんだね。

CDではいいんだけど、
ライブだと下手っぴいなユーミンみたいな(失礼)歌手もいるし。
アタシの大好きなプロレスなんかでもそう。
先週と今週の興行で、全然試合の感じ方が違ったりする。
同じような選手が高度な試合をやってみせても、
面白くなかったりする。

たぶん、テレビゲームじゃないけど、完成品を見慣れた客には
ライブのブレが許容できないんじゃなかろうか?

談志家元なんか、一度下丸子のホール落語で、余程納得できなかったらしく一度自分でも言ってた「今日は上手くできなかった。悪かったね。」なんてロビーに出てきて謝ってた。

あり難かったけど、実際その日の演目はまったく記憶に無い。
たぶん、おもしろくなかったんだろう。

いやー芸って、本当に儚いもんですね。
記録にとどめても、残せないものがある。

やっぱり、寄席に通うしかないんですよ。

寄席の方が、アタシらを裏切らないことを祈りながら、ね。
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2008/10/12 14:41 | Comments(0) | TrackBack() | 想いゴト
「落語娘」にあの人を思う
やっぱり落語はブームらしいね。 ブームそのものについては懐疑的なんだけど、 落語、それも女流の落語家をテーマにしたドラマが公開されました。 去年は貫地谷しおりさんが主演したTVドラマ「ちりとてちん」は上方落語のドラマ
今度はミムラさんの主演で映画「落語娘」が作られました。

あらすじはこうです。

「「絶対、真打になる!」と、12歳の時に落語に目覚めて以来、大学の落研で学生コンクールを総なめにしてプロの門をたたいた香須美。拾ってくれたのは奇行三昧で知られる業界の札付き・三々亭平佐だった。一度も稽古をつけてくれないばかりか、不祥事を起こしてしまって、寄席にも出入り禁止状態。そんな破天荒な師匠にTV局から、これまで演じた者が必ず命を落とすという呪われた演目「緋扇長屋」に挑む話が舞い込む…。」

すごいね、演者が必ず命を落とす呪われた落語なんて…。
聴いてみたいよね。「緋扇長屋」って噺。


「ちりとてちん」では渡瀬恒彦さんが寄席をすっぽかして廃業した?師匠徒然亭草若を演じてました。

この映画では「奇行三昧で知られる業界の札付き。一度も稽古をつけてくれないばかりか、不祥事を起こしてしまって、寄席にも出入り禁止状態」の三々亭平佐を津川雅彦さんが演じてます。

それにしても、不祥事を起こして寄席は出入り禁止。一度も稽古をつけてくれない落語家って…
すぐ思い浮かんだね。
この人が…

川柳川柳

この人の異端は半端じゃない。
さすがの落語ブームでも拾い上げてくれなかった究極の異端落語家。
大銀座落語祭に出たという話も聞かない。
まず、酒のしくじりは数知れず。
酔っ払って高座はすっぽかす。
かと思えば、呼んでもいないのにやって来て
アポなしで高座に上がり勝手にしゃべる。
早く帰りたいと平気で順番を変えてしまう。
後輩快楽亭ブラックのおごりで飲みに行くと、 酔った勢いで絡んだ相手はブラックの子供。
中でも有名なのは、忘年会で酔った勢いで師匠の家の玄関にウンコをして帰った話。
この人の師匠と言えば三遊亭圓生だから、怖いもの無し。
ケチでは業界でも有名。
「兄さん、おごってよ」
「今、金持ってねえよ。」
「…じゃあ、金出すからおごってよ。」
これは、家元立川談志がよくケチの噺のマクラでふるエピソード。
得意の演目は「ガーコン」、ジャズ落語。つーか、ほとんどそればかり。
一番得意の芸は口ラッパや口ベースといった楽器のものまね。
こんな師匠に弟子がいる。
川柳つくしさんという元OLさん。
方々で入門を断られてどんな人かも知らずに門を叩いたのがこの師匠。
あれ?「落語娘」の筋そっくりじゃん?
ただ、この人が師匠を語る。
「まず人に謝る事がない人。神にも謝らないでしょう。」。
それでいて趣味は聖書を読む事なんだという。
でも嫌いになれないのは、権力や権威にこびず、好きに生きて腹黒いところがないところなんだって。
こういう異端は、もう現れないだろうな。
なんか、この人の「緋扇長屋」が聴いてみたいよね。
ああいう人が命がけで語る落語ってどんなものなんだろう?って

2008/08/23 10:06 | Comments(0) | TrackBack() | 落語
圓楽を継ぐ
世間はオリンピックですな。

北京で今日、開会式が行われます。
日本選手、どこまでやりますかね。

さて、そういう世間の話題とは別に、
今日、このブログ的にはデカいニュースが飛び込んでまいりました。

「落語家の三遊亭楽太郎さん(58)が、師匠の五代目三遊亭円楽さん(75)の名を継ぎ、六代目円楽を襲名することが8日、分かった。」

襲名披露は2010年の予定との事です。

まあ、圓楽さんが脳梗塞で倒れ、
ガンになって、うまく話せなくなったと
仙台の文楽師匠みたいに高座を離れてしまってから、
いつかこの日が来るとは、
誰もが思ってたことじゃないですかね。

三遊亭圓楽という人

まあ、弟弟子に当たる三遊亭圓丈師匠の著書「御乱心」を読むまでもなく、
文字通りに毀誉褒貶相半ばする」 人でした。

しかしながら、昭和の名人であることには変わりございません。

アタシが、社会人になったばかりの頃は、
上野鈴本では31日(あまり一日とか言うんでしたっけ?)
圓楽師匠の独演会をやっていたと記憶してます。

会社の女の子が、あるとき、飲み会の席で、
「一度、○○さん(本名)と鈴本演芸場で三遊亭圓楽さんの落語を聴きにいきたいわ」
なんていわれたもんです。

オタク(そんなことばもなかったが)
寄席通いをしていたアタシは、演芸に詳しいと思われていたんでしょうかね。
当時、師匠の噺で一番人気があったのは
「薮入り」でした。
先代の金馬師匠の十八番ね。
父親が帰ってきた息子を前にして、どれだけ心配していたかを滔々と語るくだりで、
この人は本当に涙を流しながら口演るんですな。

何でも自分の子供時代を思い出されるんだそうで。
名演です。
ですが、アタシ自身は、同じ親子の情愛を語ったものなら
浜野矩随」の方がいいと勝手に思ってます。
とにかく、滑稽噺も人情噺も見事に語ったこの人は、名人です。
その名跡を継ぐわけです。
元弟子の伊集院光さんの語るところでは、
楽太郎師匠は
「オレは名人にはなれない器だ。だから達人を目指すんだとおっしゃていたそうです。
昭和の名人の名を継いで、平成の達人になってもらいたいもんです。
しかも、ニュースによれば、
「円楽さんは、先月末、楽太郎さんを自宅に呼び、六代目継承を言い渡した。「腎臓の人工透析や度重なるがんの手術で体が弱った。落語家としては寿命。今後、芸が伸びることを望む楽太郎に後を託す」という。円楽さん自身は、落語界から完全に身を引く。 楽太郎さんは「師匠の名に恥じぬよう、修業に努めたい」と抱負を語った。」
って言うんだから、

この世界は奥が深いですな。

ああ、冒頭でどうして、中国の話をふったかというとですね、

圓楽師匠の師匠になる圓生師匠の死んだ日がパンダのカンカンが死んだ日だったからです。

あまり、いいオチじゃなかったね。






2008/08/08 21:05 | Comments(0) | TrackBack() | 落語
話題がないので…落語クイズ

昨日は「レッドカーペット」について書きすぎたかも知れません。
いや、好きなんですよ。
くどいけど。

天津さんや、鳥居みゆきさんみたいな、
明らかなテレビ向け一発芸が成立する場所は、あそこしかないもの。
天津さんの詩吟?5分以上聞きたくないでしょ?
「ヒットエンドラ~ン」って何回も見たくないでしょ?
あれは、あの場の雰囲気がなければ、学芸会の出し物ですよ。

さて、気分を変えます。
と、言っても、話題がしばらくなかったため、
クイズを出します(ナンじゃ)

オチを言います。
噺を当ててください。
とっても簡単です。

1、「あなた方、先に帰れるものなら帰ってごらんなさい、大門で留められる」

2、「お客様、お上がりになりましたらねえ、船頭を一人雇ってください」

3、「これも大神宮さまのおかげでございます。ご近所のお払いをいたします」

4、「あったりまえじゃねえか、怪我してみねえ、明日っから遊んでて酒飲む事ができねえ」

5、「お材木で助かった」

テクストは…圓生百席と落語名人会古今亭志ん朝と東宝名人会桂文楽ってとこかな?
少し言い回しが違うかも。

いや、正解しても何もでませんぜ。
このブログをご覧になる酔狂は御仁は、わかって当然でゲスから。
では、お後がよろしいようで…


2008/08/03 10:06 | Comments(1) | TrackBack() | 落語
レッドカーペット症候群
最近、車の中で「漫才名人選」を聴いてるとたけけです。
子供の頃聴いた「かしまし娘」にまたはまっております。
どーして、古くならないんだろうね。
やっぱり、芸の古典ってあるのね。
ただし、その人に限定してしまうのが、この種の芸の哀しいところ。

北斗神拳みたいに相伝とはいかない。

正司姉妹の間と芸は伝えられない。

宮川左近の笑いも引き継ぐ人はいない。

順子・ひろしの芸も…あー、もったいない。

そのあたり考えると、最近のレッドカーペット芸人って
演芸と言えるのかな?と思っちゃうなあ。

いや、芸はあるんですよ。芸は。
今風の芸が時代を席巻しているといっていいですよね。

「ザ・パンチ」なんて好きですよ。
あのひたすら嘆くっていいですよね。
その分、会い方のキャラが弱い気がするけど。
あの芸なら別に1分にしなくてもいいんじゃないの?みたいな。
もう少し、つなぐ話題があればね。
1分だから、いきなり「嘆き節」にはいっちゃう。
嘆きフレーズがこのコンビの笑いの命でキモ。
発想がぶっとべばそれだけ、笑いになる。
「砂漠の真ん中でラクダから落とされて~、置き去りにされなよ~」
なんてその場では結構笑えた。

ああいう 噛みあわない芸ってのは、「のいる・こいる」や「えつや・ひでや」みたいな現役の芸人さんにいっぱいいますからね。

あんまり畳み掛けるのをこういう場でタダで見せすぎちゃうと、
ライブで見るインパクトがなくなるし、
すぐに息詰まる恐れもある。
「哀しい時~」
もそんなもんだよね。
※いつもここから…好きだったけどね。

アタシ、レッドカーペットは嫌いじゃないんですよ。
ただ、レッドカーペットだけでしか受けそうもない?芸人さんがいっぱいいるのも不安です。
だって、今の笑いはあくまでもメディアの中にあるんだもの。
寄席にはないんだもの。

寄席に行かなければ見られない芸と、
テレビのチャンネル捻れば見られる芸は
本当は違うんだよね。

テレビで生き残る芸人って、楽屋話の上手い人になってますよね。
ほら、「すべらない話」ね。
アノ手の話芸を「芸」として視聴者はみてくれないんじゃないのかね?

もちろん、本当の彼らのファンはルミネやホールやライブハウスに足を運ぶでしょう。
そこで、「本当の」彼らの芸を見るんでしょう。
その他大勢の人たちにとって、
もうダウンタウンやナインティナインや雨上がり決死隊やキングコングあたりは
世間的には司会者芸人でしょう?
楽屋芸人でしょう?
彼ら、そう思ってないだろうケド。
後輩芸人達も、結局その当たりを狙ってる。

精力的にライブをやってる爆笑問題やさまあ~ずなんかも、
司会者芸人になってる。
司会芸だけで(見る人)みんな満足しちゃって
みんな寄席にもライブにも足を運ばない。

アタシがそうだもの。
「エンタ…」見て「笑金」見て「レッドカーペット」見て「すべらない話」見たら、
わざわざ芸を見に行かなくても「そこそこ笑える」
この種のお笑いブームは、
実は演芸の危機なんじゃないかな?って思ってるのはアタシだけかしらん?

でも今、もっと怖いのは、
レッドカーペットというスタイルが、
笑いにイラチな今の人に合ってるんじゃないか?って事です。
そのうち3分以上の芸を見るのに飽きちゃう人が増えてくるんじゃないかな?
芸人は1回ひとネタ以上要らなくなる。

ライブで10分以上かかる漫才芸が要らなくなってしまうんじゃないかな?
考えすぎかな?
そのあたりは、落語より深刻な気がするな。

2008/08/03 09:54 | Comments(0) | TrackBack() | 漫才

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